予防分野, 低用量ピル

【予防分野】低用量ピル処方の手順

◇ 低用量ピル処方の手順

低用量ピル服用希望者

低用量ピル(以下、ピル)の問診チェック表に記入。

血圧測定

ピルの一般的な説明
ピルをのんではいけない人かどうかをチェックします。
ピルののみ方を説明します。
ピルの副作用を説明します。

問診チェック表の服用同意欄に署名

服用開始
初回の処方量は1~2ヵ月分です。これはピル服用に不向きな人をチェックするためです。
その後は、皆さんの希望に応じて処方します。平均的には3ヵ月分です(毎月取りに来る人や、半年分、1年分まとめて購入する人もいます)。

3ヵ月毎に血圧測定および問診
ピル服用によって少し血圧が上がる人がいるので、定期的に血圧を測ります。
体重の増加がある人は自己申告してもらいます。また、6ヵ月分以上のピルを希望する人は血圧の自己管理をお願いします。

お願い
ピル服用後、できれば年に1回くらいの割合で子宮ガン検診や性感染症(特にクラミジア)検査を受けられるようにお勧めします。
子宮ガン検診に関しては市民ガン検診(福井では2年に1回)で代用しても構いません。
どちらの検査も強制はしていませんが、特に結婚前の子宮ガン検診は受けられるようお勧めします。

● 低用量ピルを服用してはいけない人

以下の人は低用量ピルをのんではいけません。
1. 乳ガン、子宮ガン(体ガン、頚ガン)、肝臓ガンと診断された
2. 過去に血栓症にかかったことがあるか、現在かかっている
3. 中等度~高度の高血圧症である
4. 近日中に比較的大きな手術の予定がある(術後数週間以上たてば服用可能)
5. 35歳以上で1日15本以上タバコを吸う
6. 高度の肥満である
7. たびたび重い片頭痛の症状が出る
8. 現在、妊娠中である
9. 現在、授乳中である
10. 心臓に異常がある(たとえば心臓弁膜症)
11. 糖尿病、脂質代謝異常(高コレステロール血症)がある
12. 肝機能障害、腎機能障害
13. 耳硬化症といわれたことがある
14. 抗リン脂質抗体症候群といわれたことがある

● 低用量ピルの副作用

1)軽い副作用
低用量ピルは一般的な治療薬に比べると非常に副作用の少ない薬です。
副作用の多くは一時的なもの(マイナートラブル)で、
主なマイナートラブルは服用初期の軽い吐き気(つわりのようなもので、多くは数日から1週間程度で治まります)や不正性器出血です。
たとえば、不正出血が数週間続いたとしても避妊効果はあり、普通は2~3ヵ月以内に不正出血は起こらなくなります。
最初の1ヵ月の間、吐き気が続いたり、乳房が張ったり、軽い頭痛がしたりすることもありますが、これらの症状は自然になくなります。
ピルをのんで体重が増えるとかニキビが出るというのは昔のピル(中用量ピル)の時代の話で、
ピルの直接効果で体重が増えることはほとんどなく、ニキビは逆にきれいになるので、
むしろニキビの治療として低用量ピルを使うくらいです。

2)重大な副作用
非常にまれですが、重大な副作用として静脈血栓塞栓症(以下、血栓症)があります。
軽い血栓症ならばピル服用を中止するだけで治ることが多く、命に関わるような血栓症のでも、
早くにピル服用を中止していれば救命できる可能性が高いと考えられています。

3)ピルと乳ガン
かつては、ピルをのみ続けると乳ガンになりやすくなるというデータが示されていましたが、
現在の症例対照研究によると、ピル服用と乳ガンリスク上昇の関係については、それを否定する意見が多いです。

● 静脈血栓塞栓症について

静脈血栓塞栓症(以下、血栓症)の頻度
1)妊娠していなくて、ピルをのんでいない女性の場合:年間1万人当たり1~5人
2)ピルを服用している女性:年間1万人当たり3~9人(軽い血栓症も含む)
3)妊娠中の女性:1万人当たり5~20人
4)産後3ヵ月以内の女性:1万人当たり40~65人
普通に妊娠するリスクの方がピルの副作用によるリスクよりもずっと大きいこと、
ピルによって不要な妊娠を避ける方が結果的に多くの人のリスクを下げることになることを理解して下さい。
また、重大な副作用のサインがあったらすぐにピル服用を中止し、
必要に応じて適切な検査や治療を受ければ過度にピルの副作用をおそれる必要はありません。
ちなみに、皆さんがテレビ、新聞等でよく見聞きされるエコノミークラス症候群という病気も血栓症です。
夏場の脱水を避けたり、長い間同じ姿勢ですわりっぱなしでいないようにして、血栓症を予防するということも大切です。
タバコを吸う人はできるだけ禁煙して血栓症を予防して下さい。


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