不妊症・不妊治療

【不妊症】多のう胞性卵巣症候群(PCOS)

◇ 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは

多嚢胞性卵巣症候群とは無月経や月経不順、不妊症を引き起こす病気です。
肥満や多毛があって月経が不順の方はこの病気の可能性があります。ただしこの病気でも肥満や多毛がないこともあります。
この病気の人の卵巣を超音波検査で調べると、卵巣が少し腫れていて卵巣の表面に直径2mm~9mm位の小さな袋がたくさん(片方で10個以上)並んで見えます。
この袋は卵胞といって本来ならもっと大きくなって排卵時に破裂してなくなるべきものです。
排卵せずにできかけの卵胞がたくさん残ってしまうために多嚢胞卵巣になります。
この病気の人はなかなか排卵しないので不妊症の治療が必要になります。
ただし超音波の検査で卵巣が一見多嚢胞性卵巣の形をしていても必ずしも多嚢胞性卵巣症候群とは限りません。
詳しくホルモン検査をして病気を確認してから治療することになります。

● 多嚢胞性卵巣症候群の診断基準(日本産科婦人科学会、2007)

1.月経異常
2.多嚢胞性卵巣
3.血中男性ホルモン高値、または LH基礎値高値かつFSH正常

● インスリン抵抗性改善薬(メトフォルミン)採用の理由

メトフォルミンのPCOSに対する効果には様々な報告があり、必ずしも見解が一定していません。
メトフォルミンの投与は保険適応になっていないこともあり、これまで使用を控えてきました。
本年度(2014)の産婦人科診療ガイドラインでも、メトフォルミンの推奨レベルはA~CのうちCで一番低いのですが、
うまく投与すれば間違いなく効果があると考えられるため、今後はメトフォルミンの内服治療を積極的に行っていきます。
産婦人科診療ガイドラインには、
「肥満、耐糖能異常、インスリン抵抗性のいずれかを認め、かつクロミフェン単独で卵胞発育を認めなければ、
メトフォルミンを併用する」と記載されています。

● 妊娠希望例に対するPCOSの治療法

日本産科婦人科学会のガイドラインに沿って治療します。少々難しいですが、ガイドラインをそのまま掲載します。
1)肥満があれが減量を勧める。
2)排卵誘発にはまずクロミフェン療法を行う。
3)肥満、耐糖能異常、インスリン抵抗性のいずれかを認め、かつクロミフェン単独で卵胞発育を認めなければ、メトフォルミンを併用する。
4)クロミフェン抵抗性の場合はゴナドトロピン療法*)または腹腔鏡下卵巣多孔術**)を行う。
5)ゴナドトロピン療法ではリコンビナントまたはpure FSH製剤***)を用い、低用量で緩徐に刺激する。

*)ゴナドトロピンとは、性腺刺激ホルモンのことで、卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)の2種類があります。 
**)腹腔鏡下卵巣多孔術(LOD)とは、腹腔鏡を使って行う外科的治療です。
卵巣表面に透けてみえるたくさんの小卵胞に電気メスの先で穴をあけます。LODを行うと約70%の人が自然に排卵し、
ほぼ全例でクロミフェンが効くようになります。ただし、効果が永続しないことが欠点です。
***)リコンビナントFSH製剤とは遺伝子組み換え(リコンビナント)技術を用いて作られたFSH製剤のことで、
100%FSHのみからなる製剤です。Pure(ピュア)FSH製剤とは、FSHの純度が非常に高い製剤のことです。
通常のゴナドトロピン製剤は一般にhMGと呼ばれ、FSHとLHが両方含まれています。


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