◇ ブライダルチェック
◆ すべての方におすすめする妊娠前検査
1*.検尿
慢性の腎炎や糖尿病がないかどうかを妊娠前にチェックします。
慢性の腎炎や糖尿病を妊娠前にみつけて管理しておくと妊娠してからの経過が非常によくなります。
2*.血圧測定
血圧の高い方は、妊娠すると重症の妊娠中毒症になりやすくなります。
もともと高血圧の方の妊娠管理は非常に難しいので、妊娠前から血圧を管理しておく必要があります。
3*.貧血検査
妊娠すると急激に血液量が増えるので妊婦さんは鉄分が不足しがちになります。
妊娠前から鉄欠乏性の貧血がある方は妊娠の早期から貧血が進行しますので、妊娠する前に貧血を治しておきましょう。
特に月経血の中にレバーのような固まりが混じる方は月経量が多いので貧血になっている可能性が高く、要注意です。
4.クラミジア検査
若い女性にはクラミジアという性病が流行しており、地域によっては3~4人に1人が陽性です。
クラミジアが卵管に感染して卵管に炎症が起こると不妊症になることがあります。
妊娠前から慢性的にクラミジアにかかっている方の場合は
クラミジアのせいで流産や早産になることはあまりないといわれていますが、
妊娠してから初めてクラミジアに感染するとまれに流産や早産になることがあります。
妊娠前にクラミジアの検査を受けておくと安心です。
5.淋菌感染症
女性の場合、クラミジアに比べて感染率は低いですが、感染するとクラミジアと同じような症状を引き起こします。
6*.風疹抗体検査
風疹の予防接種をしていても抗体ができていないことがあります。
妊娠初期に風疹にかかると赤ちゃんの耳が聞こえなくなったり、脳や心臓に奇形が生じることがあります。
妊娠前に風疹抗体のチェックをして、もし抗体ができていなければ予防接種を受けておきましょう。
7*.子宮ガン検診
高齢で出産される方が増えてきましたので、妊娠中に子宮ガンの前ガン病変がみつかることも多くなってきました。
妊娠前に前ガン状態でみつかれば詳しい検査をすることもできますし、
子宮の入り口の悪い部分だけを切除すればその後の妊娠も可能です。
8.超音波検査
妊娠して初めて子宮筋腫や卵巣腫瘍がみつかることがよくあります。
1*、3*の検尿、貧血検査については、日ごろの健康診断で問題ないことが明らかな人に対しては省略しています。
2*の血圧測定は無料です。
6*に関しては、福井県内に住民票がある妊娠を希望している女性は、平成26年4月1日から平成27年3月31日まで、無料で風疹抗体検査を受けることができます。
7*についても、定期的に子宮ガン検診を受けている人(会社の検診や市民ガン検診など)に対しては省略可能です。
◆ オプションで追加する検査
胎児に影響を及ぼす感染症検査
1.水痘帯状疱疹ウイルス抗体検査
妊娠の初期、特に妊娠13~20週位に始めて水痘(水疱瘡)にかかると胎児に奇形が生じるおそれが高くなります。
また、お産の直前からお産にかけて水痘にかかると赤ちゃんが先天感染を起こして非常に高率にうまれてすぐに死亡します。
水痘にかかったことがあることを確認しておくと、水痘にかかった子供に接しても安心です。
水痘帯状疱疹ウイルスの抗体がない人は水痘の可能性のある子供に接してはいけません。
2.トキソプラズマ抗体検査
ネコの糞や生肉の中にトキソプラズマという寄生虫がいることがあります。
ネコを飼っている人や生肉を扱う人が妊娠の初期にトキソプラズマに感染すると胎児にサイトメガロウイルス感染に似た先天的な異常が起こることがあります。
実は、妊娠の初期にトキソプラズマ抗体検査をして抗体の値が高くても一体いつ感染したのかははっきりわかりません。
つまり妊娠してから初めてこの検査をしても本当に治療が必要かどうかはよくわからないということです。
ネコを飼っている人で妊娠前に既に抗体の値が高くなっている人は先天感染の危険が少ないといわれています。
逆に妊娠前の抗体が陰性で妊娠してから抗体が上昇した場合は治療が必要になります。
3.サイトメガロウイルス抗体検査
以前は90%以上の妊婦さんがサイトメガロウイルスに対する抗体をもっていたのですが、
日本も先進国となり環境がきれいになったせいで、サイトメガロウイルスに対する抗体をもっていない妊婦さんが増えてきました。
妊娠中にこのウイルスに感染すると赤ちゃんが難聴になる可能性が高くなります。
妊娠初期に感染するといろいろな奇形が起こることがあります。
4.パルボウイルスB19抗体検査
パルボウイルスはリンゴ病の原因ウイルスです。妊婦さんが感染すると胎児に貧血、心不全、胎児水腫を引き起こし胎児死亡にいたる場合もあります。
この抗体がなく、10歳以下の子供に接する機会が多い妊婦さんは、妊娠中期に感染しないように注意が必要です。
◆ 性感染症検査がご心配な方のための検査
ご心配な方とは:リスクの高い性的活動を行っている女性や性産業従事者
1.梅毒
妊娠初期に必ず梅毒の検査をすることが法的に義務付けられています。
妊娠初期に検査をしても問題ないことがほとんどですので、省略しても構いませんが、
近年になってひそかに梅毒が蔓延しつつあるという懸念もあるため、ご心配な方は検査を受けて下さい。
2.HIV感染症
先進国では早期発見、早期治療がなされていますが、日本では、症状が出て初めてHIV感染が判明する例が増加しています。
そのため、他人に感染させる危険が高く大きな問題になっています。
これも妊娠初期にほとんどの病院で検査するようになりましたが、ご心配な方は検査を受けて下さい。
3.B型肝炎検査
B型肝炎はキスや性交によって起こることがあり、近年では、性感染症とみなされるようになりました。
妊娠初期にB型肝炎、C型肝炎の検査を行いますし、それからでも対応できますので、省略可能です。
ただし、本人がB型肝炎である場合に、夫に感染させてしまうという危険があるので、ご心配な方は検査を受けて下さい。
● 料金例
・風疹抗体:2,630円
・風疹抗体+水痘帯状泡疹ウイルス抗体:3,480円
・風疹抗体+水痘帯状泡疹ウイルス抗体+トキソプラズマ抗体:4,490円