◇ 低用量ピルの新しい利用法
低用量ピルは安全で確実な避妊法です。
ピルには避妊効果の他に副効用があるので、最近では治療薬としてピルが使われる機会が増えてきました。
低用量ピルのメリットについて説明します。
● 低用量ピルのメリット
・生理痛が軽くなる
・生理の量が減る
・月経量が減るので貧血が改善される
・子宮内膜症の症状が軽くなる
・ニキビ*がよくなる
・長期服用すると卵巣ガンや子宮体ガンのリスクが減る
*にきび(尋常性ざ瘡)
にきびが軽減するという報告は多数あります。
1,021名のにきびの女性が低用量ピル服用3ヵ月後には418名(~127名)、6ヵ月後に186(~81)名にまで減少したという
大規模調査結果もあります(カッコ内はマーベロン服用の場合)。
● 低用量ピルを使った婦人科治療
生理痛(月経困難症)
3ヵ月以上続けて服用することによって学校や仕事を休むほどの高度の月経痛がほぼなくなります。
過多月経
月経量が40%以上減少します。そのため、過多月経による貧血も改善します。
月経前症候群
ピル服用中は排卵しないので、排卵に関連した症状がなくなります。
その結果、生理前のイライラ、頭痛などをはじめとするいろいろな不快な症状がなくなります。
子宮内膜症
子宮内膜症による痛みが軽減することが多いといわれています。
また、子宮内膜症の進行予防効果もあります。
子宮筋腫
子宮筋腫が原因で過多月経、貧血がある場合に使うと効果的です。
低用量ピルの服用を続けることによって筋腫が小さくなる場合もあります(個人差あり)。
月経不順
カウフマン療法という月経不順の治療を低用量ピルによって行います。
月経不順の治療としてピルを用いる場合、2~3ヵ月服用、1~2ヵ月休止というサイクルを続けます。